真夏の角栓様物質
いい色合いだ。
最近気付いたことだが、この形状の角栓様物質は出来てまだ若い。
毛穴から飛び出た部分が存在しているからだ。
形が形成されてから時間が経った角栓様物質は異なる形状をしている。
写真のものと異なり、毛穴の内側に潜り込んでいるのだ。
角栓とりを10日ほど怠ると、そういった形状のものばかり見つかることが根拠だ。
時間が経過すると角栓の形状が変わる理由はなんだろうか。
原因は「風化」だ。
その様子は陸地の成り立ちに例えることができる。
高校で地理を履修した人なら分かりやすいだろう。
まだ出来て若い角栓はとがっており、毛穴からはみ出んばかりだ。
新期造山帯では荒々しくとがった山脈が形成され、地震や火山も活発であるのと似ている。
日本やチリがこれにあたる。
反対に、生まれて時間が経つとシャンプーや髪の毛の動きによって角栓は削り取られ、平坦な形状になる。
古期造山帯では風化や浸食によって平坦な地形になるのと似ている。
ヨーロッパの地形がこれにあたる。
頭皮は歴史を毛穴に刻む。
斜め方向から見た角栓様物質
なかなかの大きさだ。
前回の記事の角栓様物質を斜めから撮ったものである。
どうにもピントが合いにくい。
私の使っているマイクロスコープはUSBタイプで、画像の取り込みが簡単に出来る。
先端にライトも付いていて、小さいものを拡大するにはうってつけだ。
しかし、いかんせんピント調節が手動なので、カメラ素人の私にはピント調節が難しい。
5,000~20,000 円くらいの価格帯で買えるので、みなさんもぜひ買って頭皮や肌の毛穴をアップにして見てみて欲しい。
そこには、私たちの知らなかった世界が広がっている。
仲良く二つ並んだ角栓様物質
かなり大きい角栓様物質がふたつ並んでいる。この大きさはなかなか珍しい。
頭皮の同じような場所に角栓が存在するのはなぜだろうか。
理由はいくつか考えられる。
ひとつは洗剤の残りかすだ。
よく聞く話だが、シャンプーやリンスが十分にすすがれず頭皮に残っていると、毛穴汚れの原因になるらしい。
だったらシャンプーしなければいいだろとさえ思うが、一部に角栓が偏在している原因の一つとしてあげられる。
2つ目は、毛穴の大きさだ。
毛穴の直径が他の場所より大きいため、大きな角栓が育ちやすいのかもしれない。
頭皮の毛穴は体のほかの部分に比べて深さが深い事が知られている。
3つめは、皮脂の分泌量だ。
顔だけでも鼻、おでこ、ほおは皮脂の分泌が多い場所とされる。
頭皮にもそういった分布があるのかもしれない。
そもそも皮脂が出やすい毛穴とそうでない毛穴の分布は何によって決まるのだろう。
首とか腹の毛穴から皮脂がバンバン出てもいいではないか。
結論として、2つ目か3つ目、あるいはその二つの理由の混合かもしれない。
シャンプーしようがしまいが、すすぎを完全にしようがしまいがこの分布は変化しなかったからだ。
どんなに条件を変えても、後頭部、つむじの右側は不変の角栓スポットであった。
私の直感でしかないかもしれないが、このスポットは誰にも譲れない私だけの聖域であることは変えがたい事実だ。
毛穴の構造には興味深い点がたくさんある。