頭皮の毛穴と言う毛穴にびっしりとつまった角栓様物質を見て考えた消費と生産のあり方⑦―劣等感の誘発が市場を滅ぼす―
頭皮がやや赤みがかっている。
写真中央上部に小さめの角栓様物質がうつっている。
私たちが最も怒りを感じるのは、思春期を迎えた学生のコンプレックスを刺激する洗顔料などのCMだ。
コンプレックスを刺激する宣伝は、前回書いたように大なり小なり「神の見えざる手」に反対している存在だといって過言ではないのではないか。
ニキビがあるとモテないなどと誰が決めた。
脂症が不潔などど誰が決めた。
なぜ同じメーカーがワックスを売り、いっぽうで脂を落とすシャンプーも売るのか。
ワックスを使うと、毛穴にワックスによる汚れがつくのではないのか。
シャンプーの宣伝文句に、ワックスが悪者であるかのように書いてあるではないか。
その洗顔料を使えば本当に肌がきれいになるのか。
そもそも「きれいな肌」とはなんだ。
脂っけやニキビのない肌のことを指すのか。
誰がそんなことを決めた。
ただでさえ第二次性徴のころはホルモンバランスが崩れ、髪質や肌質が変わる。
ニキビはどうしても発生するといってもいい。
思春期を迎えた人達なら多くの人たちが経験することだ。
さらに異性の目を気にしだし、おしゃれに目覚める頃だ。
体の変化に対して最も敏感になる年ごろだろう。
そんな子どもらのコンプレックスに漬け込む宣伝ははっきり言って悪質だ。
自らの感覚によって商品を選ぶというより、周囲からの目を気にする自意識や劣等感に突き動かされて買わされているように見える。
消費者を舐めている宣伝方法だといえる。
生産者は粗悪品を作り、宣伝によって消費者を扇動し、得た利益はさらなる粗悪品の開発と扇動のための宣伝費に使われる。
前回へ続く。