頭皮の毛穴と言う毛穴にびっしりとつまった角栓様物質を見て考えた消費と生産のあり方⑥―具体的な数値のない広告―
小ぶりだが細い毛がひっついているのがいい。
「効果は個人差によります」という注意書きが大嫌いだ。
個人差があるのは当たり前だ。
本当に商品を売り出す自信があるなら、その個人差も含めて全てグラフ化し、他商品と同じ条件で実験して比較し、品質がいいということを証明すればいいのだ。
品質が悪ければ、値段を下げるなり、量を増やすなりすればいいのだ。
サンプル数が多ければ、つまり実験対象の人数が多ければ、その個人差がどれくらいかも具体的に掴めるだろう。
実際、そういった実験を経てリリースされているはずである。
薬も食べ物も、世の中の商品のほとんどは、得られる効用に個人差がある。
みなそれをわかって購入しているし、だからこそ好き嫌いがある。
嫌いなら買わなければいいし、好きなら大金払っても買えばいい。
消費行動は強制されてするよりも、自らの感覚を信じて行うほうが世の中を良くすると信じている。
商品の売り上げには消費者の素直な感覚が反映されているほど、次に売り出される新商品はより私たちの感覚に訴えるものが作り安くなるからだ。
そういったモノがあふれれば、もっと素敵な世の中になるだろう。
「神の見えざる手」によって、市場はいい品が粗悪品を排斥していくべきだ。
消費者の行動によって粗悪品を売る生産者は倒産し、いい品をつくる生産者だけが生き残るべきだ。
だが、消費行動を強制しようと働く力がある。
それがコンプレックスを煽る宣伝である。
次回へ続く。